原稿の息抜きについくくはちネタ書いてしまった

目もあわせず
口もきかず

極力、目立たないように



そうして私達は
何もなかった二人を演じる。





この想いに気付いてどうする事も出来ない私達は
いっそ滑稽で、なんと愚かなのだろう?






「三郎、どうしたの?」
「ん?ああいや、い組が」



「い組?あ、本当だ兵助」
「え」





その名を口にされ、思わず動揺した。
浅く静かに息を吐いて、跳ねる心臓を落ち着かせる。





大丈夫、雷蔵達は私が動揺した事など気付いていない。





「おーい兵助ーお疲れ様ー!」
「うん、ろ組はこれから演習か?」



「そうそう、森で演習だよ」
「ああ、じゃあ気をつけた方がいい、あの森昨日い組が罠をはる演習に使ったから」



「え、本当?やだなーい組の罠って相当しんどいんだもの、ねぇ三郎」
「あーまぁ私は気にならないけどな」
「そうかもだけどさーうう、私はいやだなぁ」



「あ、じゃあな、演習頑張れよ」
「うん、兵助達も授業頑張ってね」
雷蔵怪我するなよ、三郎・・・」
「・・・じゃーな、兵助」
「あっ三郎ちょっと待ってよ!じゃあね兵助!」





私達は、矢羽音を交わした。





口には出さぬ
人には伝えぬ





“今宵、また”




知っているのは、二人だけ。